統計結果を学会発表でどう伝えるか
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研究成果を「正しく」「伝わる形」にするための実践ガイド
効果的な学会発表では、統計的な厳密さと分かりやすさの両立が求められます。
まず聴衆を意識した内容設計を行い、発表全体を一つのストーリーとして構成します。
表や数値をそのまま並べるのではなく、整理された図表を用い、伝えたいポイントは3〜4点に絞ることが重要です。
十分な準備を行うことで、統計結果は聴衆の理解を促し、建設的な議論を生み出します。本記事では、統計結果を効果的に提示するための考え方と実践的な工夫を紹介します。
学会発表は「研究成果を伝える」重要な機会
学会発表は、研究成果を共有し、議論を深める重要な機会です。
一方で、詳細な統計解析レポートを、そのままスライドに落とし込んでしまい、「何が重要なのか分かりにくい発表」になってしまうケースも少なくありません。
本記事では、次の学会発表をより分かりやすく、印象に残るものにするための具体的な工夫を整理します。
聴衆を知る:誰に向けた発表か
スライド作成に入る前に、まず聴衆の専門性を考えることが重要です。
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専門分野の研究者が中心の場合
分野特有の用語を用い、統計的な背景や解析条件についても、ある程度詳しく触れることができます。 -
幅広い分野の研究者・一般的な学術聴衆の場合
手法の詳細よりも、研究の背景や意義、結果の意味を平易な言葉で説明することが求められます。
聴衆に合わせて情報量や表現を調整することで、発表の理解度と印象は大きく変わります。
ストーリーを構成する
分かりやすい発表には、明確な流れがあります。以下の構成が一つの目安です。
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導入(Introduction)
研究課題と、その重要性を示す -
方法(Methods)
本質的な点に絞って説明し、過度な技術的詳細は省く -
結果(Results)
すべての統計出力ではなく、最も重要な結果を強調 -
考察(Discussion)
結果の意味、限界、今後の展開を示す
発表全体を「自分の思考過程を聴衆に案内するストーリー」として捉えることが重要です。
統計結果を効果的に見せるには
統計解析の生データ表や回帰表をそのままスライドに載せることは、必ずしも効果的ではありません。
以下の点を意識すると、理解しやすさが大きく向上します。
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表はグラフやチャートに置き換える
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不要な要素を削り、重要な結果を色や強調表示で示す
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軸ラベルや単位を明確にし、一目で意味が分かる図にする
統計結果を「読ませる」のではなく、「見て理解できる」形にすることが、記憶に残る発表につながります。
伝えるべきメッセージを絞る
発表後に、聴衆に何を覚えていてほしいかを考え、3〜4点の要点にまとめます。
例:
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「従来手法と比較して、離脱率が15%低下した」
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「本モデルにより、80%の精度で結果を予測できた」
細部は忘れられても、核となるメッセージが残る構成を目指します。
発表を「伝わる」ものにする工夫
統計は抽象的になりがちですが、次の工夫で理解が深まります。
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データの背景となる具体的な事例や実際のケースを紹介する
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専門的な概念は、日常的な事象に置き換えて説明する
数値の意味を、現実の文脈と結びつけることが重要です。
プロフェッショナルなスライドデザイン
スライドを作成する場合は、次の点に留意するとよいでしょう。
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文章は最小限にし、簡潔な箇条書きにする
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フォントや配色を統一する
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長文よりも図表・模式図を優先する
視覚的に整理されたスライドは、発表者の説明を引き立てます。
発表練習の重要性
発表の完成度は、準備量に比例します。
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複数回リハーサルを行う
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制限時間内に収まるか確認する
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想定質問を考え、回答を準備する
自信は準備から生まれます。
研究成果を「伝わる形」にするために
優れた学会発表には、確かな研究内容に加え、分かりやすさ・構成力・ストーリーテリングが欠かせません。
統計結果を整理された図表と明確なメッセージに変換することで、聴衆の理解と議論を促すことができます。
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本記事は以下の内容を参考に構成しています:
“How to present statistical results: A researcher’s guide”
https://lumivero.com/resources/blog/how-to-present-statistical-results-a-researchers-guide/
