英語の大文字・小文字変換機能を活用しよう
EndNote にはライブラリ内の文字列の大文字・小文字を一括変換できる機能が実装されています。また、アウトプットスタイルの設定で「Title フィールドの内容について大文字・小文字を変換して出力する」という設定を行うことも可能です。
ただし、それらの機能には注意点がありますので合わせてご紹介します。
なお、一括変換の操作は基本的に「元に戻す」ことができません。本操作を行う際は事前にライブラリのバックアップを作成しておくことをおすすめします。
- 注意点:変換の対象と例外設定について
- ライブラリ内の選択文字列に対して自動変換を行う
- ライブラリ内で現在表示しているすべてのレコードの特定のフィールドに対して一括変換を行う
- アウトプットスタイルの設定で Title フィールド出力時の記載形式を指定する
- 例外設定の PC 間の移行について
注意点:変換の対象と例外設定について
本記事で紹介するライブラリ内の文字列の大文字・小文字を一括変換する機能、またはスタイルの設定で文献情報出力時に Title の大文字・小文字を変換出力する機能は大変便利なのですが、原則すべての語句を対象としてしまいます。
初期設定のままでは固有名詞や専門用語、化学記号なども対象となってしまいます。
例:iPS → Ips や ips に変換
CO2 → Co2 や co2 に変換
上記のような不都合を解消するには、事前に該当の用語を変換機能の例外として EndNote に登録しておく必要があります。
大文字・小文字変換機能の例外設定
下記の操作で大文字・小文字変換機能の対象外とする語句を登録できます。
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デスクトップ版 EndNote を起動
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設定画面(Preferences)を開く
(Windows)メニューバーの [Edit] → [Preferences] を選択
(Macintosh)メニューバーの [EndNote (ver.)] → [Settings] または [Preferences] を選択 -
出現した設定画面左から [Change Case] を選択
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表示された画面中央に列記されている用語が大文字・小文字変換機能の対象外となります。
画面上方の入力欄に対象外としたい語句を入力し、[Add] ボタンをクリックすることで登録できます。 -
[OK] をクリックして画面を閉じる
【補足】
設定画面で文字に上付き・下付きなどのフォントを加えることはできません。文字の順番が合っていればフォントの有無は区別しませんので、そのまま入力して問題ありません。(例:CO2)
【補足】
一覧表示されている欄で用語を選択して [Remove] ボタンをクリックすると、例外リストから取り除くことができます。
ライブラリ内の選択文字列に対して自動変換を行う
下記の操作でライブラリ内で現在文字選択している内容の大文字・小文字を変換可能です。
※ Windows 版の EndNote X9 以下のバージョンは操作が少々異なります。下記の補足をご参照ください。
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デスクトップ版 EndNote を起動
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大文字・小文字を一括変換したい文字列を選択(例:文献情報編集画面の Title フィールド全体)
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メニューバーの [Edit] → [Change Case] を選択
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表示される一覧から変換形式を選択
・Sentence case:先頭の単語の頭文字のみ大文字(通常の文章のように)
・lower case:すべて小文字
・UPPER CASE:すべて大文字
・Capitalize Each Word:各単語の頭文字を大文字
・tOGGLE cASE:各単語の頭文字を小文字 -
選択文字列の大文字・小文字が変換される
【補足】
Windows の EndNote X9 以下のバージョンには [Edit] メニュー内に [Change Case] がありません。文献情報編集画面上のメニューアイコンに用意されているので、[Aa] アイコン右側の下矢印ボタンを開いて同様に選択してください。
ライブラリ内で現在表示しているすべてのレコードの特定のフィールドに対して一括変換を行う
ライブラリに現在表示しているすべてのレコード(文献情報)の特定のフィールドに対して一括変換することも可能です。
【注意】
本操作は現在ライブラリに表示しているすべてのレコードに対して実行されます。実行対象のレコードを限定したい場合は、事前に抽出表示する必要があります。
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デスクトップ版 EndNote を起動
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大文字・小文字の一括変換を実行したいレコードを表示
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メニューバーの [Library] → [Change/Move/Copy Fields] を選択
※EndNote X9 以下のバージョンの場合はメニューバーの [Tools] → [Change/Move/Copy Fields] を選択 -
出現した画面で [Change Fields] タブのまま下記の通り設定
・”In” 欄で一括変換の対象としたいフィールドを選択(例:Title)
・”Change” 欄で “Change case” をクリックして選択
・プルダウンメニューから希望の形式を選択
- Sentence case:先頭の単語の頭文字のみ大文字(通常の文章のように)
- lower case:すべて小文字
- UPPER CASE:すべて大文字
- Capitalize Each Word:各単語の頭文字を大文字
- tOGGLE cASE:各単語の頭文字を小文字
- Headline Case:各単語の頭文字を大文字(一部前置詞などを除く) -
[OK] をクリック
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確認画面が表示されるので、[OK] で実行
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結果画面が表示される。[OK] で閉じ、変更箇所を確認
アウトプットスタイルの設定で Title フィールド出力時の形式を指定する
EndNote のアウトプットスタイル(出力形式の設定)には Title の出力について大文字・小文字を変換して出力できる設定があります。レコードの Title フィールドを直接変更する必要がないため、便利です。
※各アウトプットスタイルで設定する必要があります。複数のアウトプットスタイルの設定を一括で変更することはできません。
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デスクトップ版 EndNote を起動。
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メニューバーの [Tools] → [Output Styles] → [Open Style Manager] を選択
※EndNote X9 以下の場合、[Edit] → [Output Styles] → [Open Style Manager] を選択 -
出現したアウトプットスタイル一覧画面にて、設定を変更したいスタイルの名前の部分をダブルクリック
→ 当該スタイルの設定画面が表示される -
設定画面左側のメニューから [Bibliography] にぶら下がっている [Title Capitalization] を選択
-
表示された画面で、希望の形式を指定
・Leave titles as entered:Title フィールドに入力されている通りに出力
・Headline style capitalization:各単語の頭文字を大文字(一部前置詞などを除く)
・Sentence style capitalization:先頭の単語の頭文字のみ大文字(通常の文章のように) -
メニューバーの [File] → [Save] を選択して上書き保存
※初期インストールされるアウトプットスタイルは基本上書き保存できません。その場合は [File] → [Save As] を選択して別名保存してください。 -
Word 上の EndNote アドインにて上記で保存したアウトプットスタイルを適用
※既に適用している場合は、アドイン内の [Update Citations and Bibliography] をクリックして出力を更新 -
変更が反映されます。文献リストに記載されている各文献のタイトルをご確認ください
例外設定の PC 間の移行について
一つの PC で設定した例外設定は当該 PC 内にデータファイルとして保存されます。こちらの内容は EndNote の同期機能などで他の PC に反映されません。各 PC で同じ設定を正確に繰り返すのは難しいですし時間もかかりますので、移行方法をご紹介します。
大文字・小文字変換機能の例外設定をした用語をまとめたファイルは PC 内の下記の場所に保存されています。
※パスの中に隠しフォルダが含まれている場合があります。操作する際は隠しフォルダを表示する設定に変更することを推奨します。
【注意】
下記の保存場所にはアプリの各種設定ファイルが保存されています。ご紹介している操作以外は行わないでください。
(Windows)C:\Users\[PCアカウント名]\AppData\Roaming\EndNote\ENCase.txt
(Macintosh)[ハードディスク名]\ユーザ\[PCアカウント名]\ライブラリ\Application Support\EndNote\EndNote Case Words
※[PCアカウント名] には、ご利用の PC でログインしているアカウント名が入ります。
※[ハードディスク名] には、ご利用の Mac PC のハードディスクに設定している名称が入ります。
上記ファイルを「メモ帳」や「テキストエディット」などのテキストアプリで開くと例外設定した用語が一覧で表示されます。
上記ファイルを USB メモリなどを使用して PC 間でコピー移動して開き、コピー先 PC の同ファイルを開いて用語リストをコピー&ペーストしてください。
【注意】
・EndNote が参照する例外設定が記載されたリストの保存場所およびファイル名は固定です。ファイルの移動やファイル名の変更はしないでください。
・Mac PC の “EndNote Case Words” ファイルには拡張子が付いていません。Windows PC にファイルを移行して開く際は、開くアプリを選択する画面が表示されますので「メモ帳」などのテキストアプリを選択してご対応ください。
・上記ファイルを開いて編集する際は必ず EndNote アプリを終了しておく必要があります。
・用語が重複登録されても問題はありません。