Vol.90:グラフィカルアブストラクトとインフォグラフィックの違い
視覚的に情報を提示することは、複雑な主題を効率的、かつ効果的に読者が理解するのに役立ちます。グラフィカルアブストラクトとインフォグラフィックの両方がこれに当てはまります。特にインフォグラフィックは、ソーシャルメディアやその他のデジタルプラットフォーム上で、多くの読者に説明するために使用されてきました。
一方で、研究論文の要約を視覚的に表現したグラフィカルアブストラクトは、幅広い分野で新しい研究成果をアピールするためにますます活用されるようになってきています。
ここで強調したいのはこの2つのタイプは対立するものではなく、違いをあげるとすれば、それぞれのフォーマットの有用性と、効果的なビジュアルコミュニケーションのための設計の2点です。
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グラフィカルアブストラクトとは
グラフィカルアブストラクトとは、科学論文の要点を読者に素早く理解してもらうことを目的とした単一のグラフィックのことで、ソーシャルメディアやジャーナルのウェブサイトで一般的に使用されます。
グラフィカルアブストラクトにどのような情報を含めるべきかについては、様々な意見があります。専門家の中には、背景情報、研究で取り組む問題、研究結果、結論、影響、さらには使用した方法論など、テキストのアブストラクトをすべて含めるようアドバイスする人もいます。
残念ながら、グラフィカルアブストラクトは科学文献の検索エンジンでは検索されないため、テキストのアブストラクトの代わりになることは現時点では期待できません。したがって、グラフィカルアブストラクトは、テキストのアブストラクトに付随するものであることを念頭に置いてください。
グラフィカルアブストラクトを選択する際のコツ
- ガイドラインを確認する
論文を出版するために投稿する場合は、グラフィカルアブストラクトについてのガイドラインを必ず確認してください。 - 重要な研究結果を要約する
グラフィカルアブストラクトを使用する目的は、研究結果を簡潔にまとめることです。 - キーフレーズやキーワードを使用する
グラフィカルアブストラクトにはあまり多くの文章を含めるべきではありません。読みやすさを高めるためにキーフレーズやキーワードを加えることを検討しましょう。
インフォグラフィックとは
インフォグラフィックとは、画像や円グラフ、棒グラフなどデータの視覚化を含む、トピックの視覚的表現です。インフォグラフィックは多くの場合、1ページに含まれるか、より長いテキストページ内に組み込まれます。そのため、スライドやポスター、配布資料に最適です。
インフォグラフィックは、専門性の高い情報を幅広い読者に提供するという明確な機能を持っています。そのためには、元のテキストの真実性と意味を維持しながら、技術的な詳細を簡略化して削除する必要があります。このことは、元のテーマを理解するのが難しかった読者が、学んだことを理解し、実践的に応用できることを意味します。
インフォグラフィックを選択する際のコツ
- インフォグラフィックに適したビジュアルスタイルを選択する
データは様々な形式で表示される可能性があるため、円グラフ、棒グラフ、マップ、タイムラインなど、データに最も適した形式を選択するようにしましょう。 - 対象となる読者を考慮する
読者がどのような学習を必要としているのか、与えられたトピックに対する理解がどの程度進んでいるのか、どのようなビジュアル化が彼らを惹きつけるのかを判断しましょう。 - 見出し
読者がインフォグラフィックの詳細を読む前に注目するものの1つが見出しです。見出しは読者の興味をそそるものでなければなりません。
グラフィカルアブストラクトとインフォグラフィックの違い
簡単にまとめると、両者の違いは些細なものですが存在します。インフォグラフィックは情報をグラフィカルに表現したものであり、ビジュアルアブストラクトはインフォグラフィックのサブタイプで、論文の結論を要約するために使用されます。
主な違いは、グラフィカルアブストラクトには多くの場合、テキストがほとんど含まれていない、あるいはまったくテキストが含まれていないことです。その結果、研究の全体的な調査結果や主要な調査結果をより適切に表現できる傾向があります。
一方、インフォグラフィックは、より多くのテキストが表示され、要約のためのより強力なストーリー構造が提供される場合があります。