EndNote活用ヒント集

エクセルに文献情報を出力する

EndNoteは文献データをExcelにも出力することができます。必要な情報のみを出力し、用途に応じて一覧性の高いリストや、ExcelファイルやCSVファイル取り込みに対応した外部ソフト用のファイルを作ることができます。

本稿ではExcel出力に必要な事前準備と、出力方法、応用として文献レビューへの活用、Googleスプレッドシートを使用したアブストラクトの一括翻訳を紹介します。


目次

データ出力の事前準備

EndNote 内の必要なデータのみを出力するための設定をライブラリで行います。

  1. EndNote ライブラリを開き、メニューバーで[Tools] > [Output Styles] > [Open Style Manager...] の順にクリック。

  2. [EndNote Styles] 画面が表示されるので[Tab Delimited] を選択して反転表示し、[Edit] ボタンをクリック。

  3. 画面左側のリストから、[Bibliography] 下の[Templates] をクリック。下記画像のように表示されます。

  4. 不要なフィールド名をキーボードの[Backspace]または[Delete] キーで削除し、自分のExcelに出力したい項目だけを残します。

    このとき、各フィールド名の間に必ずTab記号(→)を残すようにします。

    ※誤ってTab記号(→)や必要なフィールドを消してしまった場合、[Insert Field]から選択することで追加が可能です。

  5. 著者名は設定に変更を加えていない場合、イニシャル表記になっています。日本語文献の著者名を出力したい場合、[Bibliography] > [Author Name] の項目で,[Initials] を [Full Name] に変更してください。

  6. 変更が終了したら、EndNote メニューで[File] > [Save As] の順にクリックして別名を付けて保存します。

    ※Excel出力のためのアウトプットスタイルであると一目で分かる名称がオススメです。
    例:Excel出力用 Tab Delimited

これで設定は完了です。

【補足】

【Generic】のレファレンスタイプのフィールド名を編集することで、全てのレファレンスタイプに対応することができます。【Generic】 のフィールド名が各レファレンスでどのフィールド名に対応するかを確認するには、操作ガイドの「フィールドを追加・編集する」を参照してください。

改行が含まれているフィールドのデータを出力する場合は1つのセルに入らないため、Excelに適切に出力するには事前にライブラリ内のデータを変更する作業が必要です。詳細は操作ガイドの「データ出力の事前準備 改行が含まれているフィールドのデータを出力する場合」の項をご参照ください。

Excel へデータを出力

用意したスタイルを使って、データをExcel に出力します。

  1. EndNote ライブラリを開き、アウトプットスタイル選択ボックスで保存したスタイルを選択します。

  2. プルダウンメニューにない場合は、[Select Another Style] をクリックして、表示される一覧の中から選択します。

  3. Excelに出力する文献をEndNote ライブラリで選択し、EndNote メニューバーで[References] → [Copy Formatted References] の順にクリックします。

  4. Excelを起動し、貼り付けします【(Window: [Ctrl]+[V])Mac: [command] + [V] 】。
    ※Macで上記の操作で貼り付け出来ない場合、[command] + [control] + [V] を押下したあと、出現する画面で [テキスト] を選択して [OK] でペーストを実行。

  5. Excelシートに文献情報が貼り付けられるので、必要に応じて保存します。

ExcelファイルはEndNoteを所有していない人との参考文献のやり取りなどに便利です。

応用~文献レビューのマトリクスを出力する

文献レビューには読んだ文献を表形式でまとめる方法もあります。

一覧性が高く共通点・非共通点が把握しやすいので、文献レビューをまとめるのは表形式がいいが、文献の管理はEndNoteでしたいという場合、EndNoteにデータを入力し文献レビューに必要な項目だけを出力することで対応できます。

EndNoteに文献のデータを入力し、同様のマトリクスを出力してみましょう。

  1. まず、出力する項目を決めます。
    文献レビューの場合、著者/タイトル/出版年/目的/方法/結論などが多いようです。その他、論文で使用されているデータについて等、自身で必要な項目があれば追加しましょう。
    出力したい項目がEndNoteのフィールドにない場合、Customで作成し割り当ててください。

    >>フィールドを追加・編集する

  2. フィールドが出来たら、各フィールドに文献の内容を入力します。これで文献データの準備は完了です。

  3. 次に、出力用のスタイルを設定します。
    スタイルの作成方法は上記の「データ出力の事前準備」と同様の手順で、出力する項目を設定し、保存します。

    ※項目は任意のものを設定してください。
  4. スタイルが完成したら、Excelに出力する文献をEndNote ライブラリで選択し、EndNote メニューバーで[References] > [Copy Formatted References] の順にクリックします。

  5. Excelを起動し、貼り付けします【(Window: [Ctrl]+[V])(Mac: [command]+[V])】。

    ※画像はイメージです。

これで文献レビュー用のマトリクスが完成します。
追加のデータなどがあれば、都度追加していくといいでしょう。

応用~Googleスプレッドシートを使って、abstractをまとめて翻訳する

GoogleスプレッドシートにもExcelと同じように文献情報の貼り付けが可能です。

GoogleスプレッドシートにはGOOGLETRANSLATE関数という、指定したセルの内容を翻訳する関数があります。これを使用し、複数の文献のアブストラクトをまとめて日本語に翻訳してみましょう。

  1. Copy Formatted Referencesを使用し、Googleスプレッドシートにabstractを含む文献情報を貼り付けする。
    ※この場合、使用するスタイルはabstractを出力するように設定してください。

  2. GOOGLETRANSLATEの関数はGOOGLETRANSLATE(翻訳したいセル, "ソース言語", "ターゲット言語")となっているので、画像の例の場合は下記のように入力します。
    =GOOGLETRANSLATE(D2,"en","ja")

  3. 入力が完了すると、翻訳されたアブストラクトが表示されます。

  4. GOOGLETRANSLATE関数を入力したセルをコピー・貼付し、他のセルも翻訳します。

これでアブストラクトを一度にまとめて翻訳することが可能です。

まとめ

Excelへの文献情報の出力は、意外と知られていない便利な機能です。

上記で紹介した文献レビューなど以外にも、様々な使い方が可能です。アブストラクトやタイトルなどの文献情報を使ってテキストマイニングを行いたい場合など、CSVファイルの作成にも役立ちます。

EndNoteを持っていない方に文献リストを共有する際にも便利ですので、是非活用してみてください。

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