XLSTAT によるフレーバーホイールの作成:コーヒーの風味を可視化してみよう
フレーバーホイールとは?
フレーバーホイールとは、食品がもつ特徴(味、香り、食感、色彩等)を表現するためのツールです。コーヒーやワイン等のアルコール類の味わいを評価したり、料理との相性を表現したりするために使用されています1。異なる味や香りなどの表現が円形に配置されており、官能評価の場面では審査員が製品の味や香りの詳細を記述するために利用されます。
XLSTAT では官能ホイール(Sensory wheel)機能を利用することで、フレーバーホイールを簡単に作成することができます。
このページではコーヒーのフレーバーホイールを作成する手順をご紹介します。なお、本記事で紹介しているフレーバーホイールは、SCAA(米スペシャルティコーヒー協会)が作成したもので、こちらの記事でも見ることができます。
フレーバーホイールのデータ形式
フレーバーホイールは下記いずれかのデータフォーマットから作成可能です。
- 単語のリスト形式:
味や香りの表現リストからホイールを作成することができます。この場合は、リストに記載されている表現が円形に配置されて表示されます。出力時に水準の数を指定することで階層化することもできますが、出力後、ユーザーが手動でホイールの下層を編集する必要があります。
- 分類表形式:
分類表形式では、レベル1 からレベル4 まで異なるレベルに分けた属性リストを作成します。レベル1 では最も一般的な属性を表記し、レベル2 以降ではより具体的な属性を表記します。このフォーマットで作成した場合は、典型的な階層化されたフレーバーホイールが出力されます。
今回は分類表形式でフレーバーホイールを作成する方法をご紹介します。
サンプルデータのダウンロードはこちらから
demoSensoryWheel.xlsフレーバーホイールの作成手順
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XLSTAT を起動し、[官能データ分析] > [官能ホイール] を選択
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ダイアログボックスが表示されるので、下記項目を指定します。
- 分類表:
要素のデータを選択します。データの選択は入力欄にカーソルを置き、その後でエクセル上のデータを直接指定することで可能です。 - データ形式:
[分類表] を選択
- 分類表:
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[OK] をクリックすると、結果が別シート(官能ホイール)に出力されます。
フレーバーホイールの見方
こちらのフレーバーホイールは4階層で表示され、内側から外側にいくにつれて具体的な表現になっています。例えば、一番内側部分にはTaste(味) と Aromas(香り) の項目があり、Taste はさらにSour, Sweet, Salt, Bitter、Aromas はEnzymatic, Sugar Browning, Dry Distillation にそれぞれ細分化されています。
さらに円の外側を見ていくと、香りのなかにFruity の項目があり、そこからCitrus とBerry-like の小項目に分かれています。
このようにフレーバーホイールを参照することで、コーヒーにどのような風味があるのかを知ることができます。
フレーバーホイールの見方に関しては、より詳しく解説されているサイトやブログもありますので、気になる方はインターネットで「フレーバーホイール」と検索して、チェックしてみてください。
参考文献
- ひかり味噌󠄀株式会社. 味噌のフレーバーホイール - フレーバーホイールとは
https://www.hikarimiso.co.jp/enjoy-miso/flavorwheel/
- Sensory wheel tutorial in Excel
https://help.xlstat.com/6711-sensory-wheel-tutorial-excel
※ 本記事はこちらのチュートリアルページをもとに作成しています。記事内で紹介したサンプルデータもこちらからダウンロードすることができます。
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