看護分野で研究を行っている齋藤雅子先生に、NVivoを購入したきっかけや、利用方法について伺いました。
NVivo を購入したきっかけは?
もともと専門は量的研究をしており、10年ほど前にユサコからSPSS を購入しました。研究で自由記述の回答データを分析する必要性が出てきて、NVivo を購入しました。
コロナ渦ということもあり大学では病院実習が縮小し、学内で演習を充実させるよう文科省からの伝達もあり、フルスケールのシミュレータモデルを購入しました。購入した時にシミュレータを使った学生と使っていない学生との学びの内容を比較するときにNVivo をつかって学生の自由記述内容を分析しました。
購入に際し他製品との比較検討はされたのでしょうか?
他の製品とは、購入前にWeb で検索し質的研究を専門にされている教員へ相談していました。論文などでツールを使ったことを明記する際に説得力を持たせるため、実績のある有料の質的研究支援ソフトが良いと考え、NVivo を選択しました。
現在の研究ではどのようにNVivo を利用されているのでしょうか?
学生に対するシミュレーション教育の効果と課題を明らかにするため、SPSSとNVivo を使用して分析を行いました。アンケートの自由記載は質的内容分析として、NVivo でコーディングを実施しました。その後、研究者間でサブカテゴリーとカテゴリーの抽出をしました。
▼参照:母性看護学演習におけるシミュレーション教育の学修効果(PDF)
今年は6月にバリにあるICM 国際助産師連盟、7月にカナダのモントリオールにある国際看護師協会でNVivo をつかって研究を発表しました。研究は主に国際学会で発表しています。
最近はNVivo をつかって学生さんの評価や学習の学びの効果を分析し、その都度毎年教育方法をブラッシュアップしています。最も教育効果が高い、教育の質が担保できる教育方法を開発しています。
NVivoで便利だと思った機能は何でしょうか?
テーマによる自動コーディング機能が便利で活用しています。学びというテーマの質問に対して学生にExcel に自由に記入してもらい、自動コーディングで分析をしました。結果が瞬時に出るので、これほど便利なものはないです。NVivo 導入前と比べてコーディング作業の時間が大幅に短縮されました。
また、自分自身でコーディングを行うと、どうしても研究者の主観が入りやすくなりますが、自動コーディングを利用することで、客観的に分析できるのですごく重宝しています。
齋藤雅子先生プロフィール
森ノ宮医療大学看護学部/看護学科 母性看護学
森ノ宮医療大学大学院保健医療学研究科/看護学専攻
副学科長・教授