- NVivo Collaboration Cloud とは?
- 各ユーザーの役割と権限
- 利用開始までの流れ(ライセンスの割り当てと設定)
- プロジェクトをアップロードする
- プロジェクトの共有メンバーを管理する
- 共有されたプロジェクトを開く(初回:プロジェクトの複製)
- 共有プロジェクトを開く(2回目以降)
- 共有されたプロジェクトの同期について
- プロジェクトのバックアップを作成する
- データ保持について
- まとめ
NVivo Collaboration Cloud とは?
NVivo Collaboration Cloud は、NVivo で共同作業を行うための有料オプションサービスです。プロジェクトオーナー(管理者)がプロジェクトをクラウドにアップロードし、チームメンバー(コラボレーター)を招待します。メンバーは、Windows、Mac を問わず、同じプロジェクトを編集することができます。各自がローカル(手元のPC)で行った変更は自動的にクラウドプロジェクトに同期されるため、従来のようにプロジェクトファイルを手動でマージ(統合)する操作は必要ありません。また、オフラインで作業した場合も、次にインターネットに接続した際に変更内容が自動で同期されます。
製品の概要は下記ページをご参照ください。
プロジェクト共有サービス NVivo Collaboration Cloud
【対応バージョンに関する注意】
- NVivo 15 と NVivo 14 のユーザー間でのみ、プロジェクトの共有が可能です。
- その他のバージョン(NVivo 13 以前)をお使いの場合は、NVivo 15 をご購入いただく必要があります。
- Collaboration Cloud のご利用には、ご利用になる人数分の Collaboration Cloud ライセンス(シート)に加えて、各ユーザーが別途 NVivo 本体のライセンス(NVivo 14 またはNVivo 15)を持っている必要があります。
【プロジェクト容量について】
- Collaboration Cloud 自体に容量制限はありません。
- ただし、NVivo のプロジェクトファイル自体にはサイズ上限があります(Windows 版:10GB、 Mac 版:512GB)。Windows ユーザーがいるチームで10GB を超えるプロジェクトを共有する場合は、プロジェクトを分割して共有してください。
各ユーザーの役割と権限
Collaboration Cloud には、「Project Owner(プロジェクトオーナー)」と「Collaborators(コラボレーター)」の2つの役割があります。
Project Owner(プロジェクトオーナー)
Collaboration Cloud のライセンス(シート)が割り当てられ、プロジェクトをクラウドにアップロードする役割を持つユーザーです。
▼ 主な役割
- プロジェクトの作成とクラウドへのアップロード
- プロジェクトへの共同メンバーの管理(追加・削除)
▼ オーナーのみが可能な操作
プロジェクトオーナーは、NVivo の全機能に加え、以下の管理操作を実行できます。
- クラウドへのプロジェクト作成・アップロード
- クラウドからのプロジェクト削除
- プロジェクト共有メンバーの管理(追加・削除)
- 既存ドキュメントの編集
- ファイル、コード、メモの削除
- コードのマージ
- フォルダ名・ファイル名の編集
- フォルダ・ファイルの移動
Collaborators(コラボレーター)
プロジェクトオーナーから共同メンバーとしてプロジェクトに招待されたユーザーです。 オーナーから共有されたプロジェクトの編集作業を行います。
▼ コラボレーターが可能な操作
- オーナーから共有されたプロジェクトの複製
- 各種ファイルのインポート
- 文字起こしファイルの追加
- 新規コードの作成、既存コードへのコーディング
- 新規メモの作成、既存メモへの追記
- クエリ、視覚化の実行
▼ コラボレーターが制限される操作
以下の操作はコラボレーターには許可されておらず、プロジェクトオーナーのみ実行できます。
- フォルダ名・ファイル名の編集
- フォルダ・ファイルの移動
- 既存ドキュメントやフォルダのコピー&ペーストによる新規作成
- プロジェクト共有メンバーの管理(追加・削除)
- ドキュメントの編集
- ファイル、コード、メモの削除
- コードのマージ
利用開始までの流れ(ライセンスの割り当てと設定)
Collaboration Cloud のご利用開始にあたり、まずはライセンスが正しく割り当てられていることを確認してください。 ライセンスの購入形態(一括購入 / 個別購入)によって手順が異なります。ライセンスの割り当てに関する詳細な手順は、以下のFAQ をご参照ください。
Q:NVivo Collaboration Cloud にメンバーを追加する方法
なお、どちらの購入形態であっても、Collaboration Cloud のライセンス(シート)を割り当てられたユーザーであれば、NVivo 14 / 15 を問わず、誰でもプロジェクトをアップロードし、プロジェクトオーナーになることができます。
プロジェクトをアップロードする
オーナーは、ローカルのNVivo プロジェクトをクラウドにアップロードして共有を開始します。
-
NVivo で、共有したいプロジェクトを開くか、新規作成します。
-
プロジェクトを編集した場合は、事前に必ず変更内容を保存してください。
※アップロード前にプロジェクトのバックアップを作成することをおすすめします。バックアップの作成方法については、以下のページをご参照ください。 -
メニューの [共有] タブから、[プロジェクトをアップロード] をクリックします。
→ アップロードが開始され、プログレスバーが表示されます。※この操作は、上記「利用開始までの流れ」で説明したCollaboration Cloud ライセンスのシート割り当てが完了しているユーザーのみ可能です。


-
「アップロードが完了しました」と表示されたら、[OK] ボタンで画面を閉じます。

プロジェクトの共有メンバーを管理する
プロジェクトをアップロードしたら、[チームを管理] にて共有メンバーの追加・削除が可能です。
-
メニューの[共有] タブから [チームの管理] をクリックします。

-
「プロジェクトチーム」画面が表示されたら、テキストボックス(入力欄)に、追加したいユーザーのメールアドレスを直接入力し、[ユーザーを追加] ボタンをクリックします。
※NVivo 14.24.3 以降、NVivo 14 でもメールアドレスでの追加が可能になりました。
下記画面でメールアドレスの入力ができない場合はアップデートをご確認ください。
ライセンスの購入形態(個別/一括)にかかわらず、ここでメンバーとして追加(招待)するには、そのユーザーが事前に myLumivero ポータルで Collaboration Cloud のシート割り当てを完了している(=ライセンスが有効になっている)必要があります。
-
「ユーザーの追加に成功しました」と表示されたら [OK] をクリックします。 画面下部のリストに追加したユーザーの情報が表示されます。


メンバーをプロジェクトから削除する場合は、リストの該当ユーザーの横にある [削除] ボタンをクリックします。
共有されたプロジェクトを開く(初回:プロジェクトの複製)
オーナーからプロジェクトへのアクセスを許可されたメンバーは、以下の手順でプロジェクトを手元のPC にダウンロード(複製)します。
Windows 版の場合
-
NVivo を起動し、スタート画面右側の [アカウント] 項目にて、Collaboration Cloud を利用できるアカウントでログインされていることを確認します。
※ ログインされていない場合は、[ログイン] ボタンをクリックし、ログインしてください。
-
画面左側のメニューから [クラウドプロジェクト] をクリックします。

※「Collaboration Cloud の有効なサブスクリプションが見つかりませんでした」や「アカウントのサブスクリプションを確認できません」というエラーが表示された場合は、サブアカウントを切り替えてから、再度 [クラウドプロジェクト] をクリックしてください。


-
共有されているプロジェクトの一覧が表示されます。アクセスしたいプロジェクトを選択し、[複製] ボタンをクリックします。

-
プロジェクトの保存場所を指定し、[保存] をクリックします。
※プロジェクトのファイル名は変更しないでください。
※プロジェクトはPC のローカルドライブ(デスクトップやドキュメントフォルダなど)に保存してください。オンラインストレージや外部記憶媒体への保存はしないでください。 -
「複製が完了しました。」と表示されたら [プロジェクトを開く] ボタンをクリックします。 複製されたプロジェクトが自動的に開きます。

Mac 版の場合
-
NVivo を起動し、メニューバー [ファイル] > [ユーザー] をクリックし、Collaboration Cloud を利用できるアカウントでログインされていることを確認します。
※ ログインされていない場合は、[ログイン] をクリックし、ログインしてください。
-
メニューバー [ファイル] > [クラウドプロジェクト] をクリックします。

※ 出現した画面でプロジェクトが表示されなかった場合は、サブアカウントを切り替えてから、再度 [クラウドプロジェクト] をクリックしてみてください。

-
共有されたプロジェクトをクリック

-
出現した画面にてプロジェクトの名前と保存場所を指定し、[プロジェクトを作成] をクリック

※ クラウドプロジェクトと同じプロジェクト名を入力してください。
※プロジェクトはPC のローカルドライブ(デスクトップやドキュメントフォルダなど)に保存してください。オンラインストレージや外部記憶媒体への保存はしないでください。 -
「複製が完了しました。100% 完了」と表示されたら、[X] ボタンで画面を閉じる
→ 複製されたプロジェクトが自動的に開きます。
共有プロジェクトを開く(2回目以降)
一度複製したプロジェクトは、次回からローカルファイルとして開きます。
-
NVivo を起動し、スタート画面右側の [アカウント] 項目にて、Collaboration Cloud を利用できるアカウントでログインされていることを確認します。
※ ログインされていない場合は、[ログイン] ボタンをクリックし、ログインしてください。 -
スタート画面の [最近使用したプロジェクト] の一覧、または [他のプロジェクトを開く] から、前回複製したプロジェクトファイルを選択して開きます。
【注意】
- 再度 [クラウドプロジェクト] から [複製] を行う必要はありません。
- ローカルに複製したプロジェクトファイルの名前は変更しないでください。
共有されたプロジェクトの同期について
共有プロジェクト(複製したプロジェクト)で行った編集作業は、すべてクラウドプロジェクトに自動的に同期されます。
同期ステータスの確認
同期の状況は、NVivo の画面右上に表示されるステータスアイコンで確認できます。
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同期が失敗した場合
同期失敗アイコン が表示されている場合は、以下の操作を行ってください。
-
作業中のプロジェクトを閉じ、NVivo も終了します。
-
再度 NVivo を起動し、共有されたプロジェクトを開きます。
-
プロジェクトが正常に同期されるか(✓アイコンになるか)を確認してください。
上記操作でも同じアイコンが表示される場合は、プロジェクトが破損している可能性があります。現在ローカルに保存されているプロジェクトファイルを一度削除するか、別の場所に移動してください。 その後、再度「共有されたプロジェクトを開く(初回:複製)」の手順を実行し、プロジェクトをクラウドから複製し直してください。
プロジェクトのバックアップを作成する
予期せずプロジェクトが破損するケースに備え、特にプロジェクトオーナーは、定期的にプロジェクトのバックアップを作成することを強く推奨します。バックアップの作成方法については、以下のページをご参照ください。
データ保持について
- Collaboration Cloud にアップロードされたプロジェクトは、サブスクリプションが有効な間は無期限に保存されます(ユーザーが手動で削除しない限り)。
- Collaboration Cloud サブスクリプションの有効期限が切れると、データにアクセスできなくなります。
- 有効期限が切れたサブスクリプションが90日以内に更新されない場合、すべてのデータ(プロジェクトファイルを含む)アカウントは削除されますのでご注意ください。
まとめ
NVivo Collaboration Cloud は、チームでの共同作業を効率化するサービスです。このサービスを活用することで、面倒なプロジェクトの統合(マージ)作業から解放され、チームメンバー全員が分析作業そのものに集中できる環境が整います。ぜひ NVivo Collaboration Cloud を導入して、チームでの研究プロジェクトをより円滑に、よりスピーディーに進めましょう。
