NVivo で分析を進めていて、インタビューデータや人物のケース同士で共通する点や相違点を視覚的に明らかにしたいと思ったことはありませんか。「比較ダイアグラム」を使うと、プロジェクト内の2つのアイテムの現在のコーディング状況などを比較し、両者の共通点と相違点を素早く見つけることができます。このページでは比較ダイアグラムの概要や作成手順、結果の見方をご紹介します。
※なお、このページではNVivo 15 Windows 版を使ってご説明しております。
比較ダイアグラムとは?
比較ダイアグラムは、2つのアイテムを見比べ探索していくための機能です。ファイル、コード、ケースなど同じ種類のプロジェクトアイテムを2つ比較し、共通点や相違点を視覚的に確認することができます。例えば、インタビューデータ同士を比較することで、共通して付与されたコードとそうでないコードを確認できます。
比較ダイアグラムの活用事例
比較ダイアグラムは以下のようなことを調べたいときに活用できます。
- 論文PDF やインタビューデータのファイル同士を比較して、共通しているコードを確認する
- 人物のケース同士を比較して、共通して言及しているテーマを確認する
- コード同士を比較して、コーディング元のアイテムがどれくらい共通しているかを確認する
比較ダイアグラムの作成手順
今回はインタビューデータのファイル同士を比較し、共通で付与されたコードを確認してみたいと思います。
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メニュー[探索] の [ダイアグラム] > [ファイルを比較] を選択
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比較したいアイテム2つにチェックを入れ、[OK] をクリック
※3つ以上のアイテムを選択して実行することはできません。
→ 結果が表示される
比較ダイアグラムの見方
選択した2つのアイテムは黄色でハイライトされ、両者とつながりのあるアイテムが線で結ばれて表示されます。
選択したアイテム同士で共通しているアイテムは中央に、いずれか一方のみに紐づいているアイテムは左右にそれぞれ表示されます。
比較ダイアグラムの出力
作成した比較ダイアグラムはプロジェクト内に保存することができないため、再利用したい場合は、画像として出力する必要があります。
ダイアグラムの空白部分で右クリックし、[ダイアグラムをエクスポート] を選択することで、画像として保存することが可能です。
まとめ
比較ダイアグラムでアイテム間の共通点と相違点を可視化することで、質的なデータ分析をより深め、新たな発見につなげられる可能性があります。ぜひ、色々な場面で試してみてください。