臨床研究でSPSSを使いたいが、どのようにSPSSのモジュール・構成を選べばよいか分らない方も多いと思います。臨床研究で使うSPSSの選び方、オススメ構成を、簡単に紹介します。
初めての購入なら『SPSS Statistics Standard』がオススメ!
SPSSで医療統計をはじめるならば、まず検討したいのが、『SPSS Statistics Standard』です。 『SPSS Statistics Base』・『SPSS Advanced Statistics』・『SPSS Regression』・『SPSS Custom Tables』の4モジュールの機能を備えており、バランスよく基本的な機能が揃っているのが特徴です。
4つのモジュールをそれぞれ単品購入するより、価格面でのメリットもあります。
『SPSS Statistics Standard』 の統計機能は?
『SPSS Statistics Standard』は4つのモジュールで構成されますが、各モジュールが、どのような統計機能をもっているかを見ていきます。
『SPSS Statistics Base』は必須 のモジュール
『SPSS Statistics Base』(以下Base)は、『SPSS』のStatistics Familyを使用する上で導入必須の基本モジュールです。 Baseだけでも、集計、検定、多変量解析等の統計解析の基本機能をカバーしています。まずは統計解析の基本的な機能だけそろったものから始めてみたいという方はBaseを導入したのち、Baseのカバー範囲を超えた手法を用いる際に、他のモジュールを追加していくのも良いでしょう。
生存分析をカバーする『SPSS Advanced Statistics』
臨床研究で頻繁に使われる生存分析には、COX回帰、カプラン・マイヤーを用いることが多くあります。 その際に必要なのは、『SPSS Advanced Statistics』です。また、多因子の検定(分散分析)が必要な多変量解析も可能にします。
『SPSS Regression』は何に使う?
その名の通り『SPSS Regression』は、回帰分析機能を強化するモジュールです。代表的な分析機能には、以下のようなものがあります。
- ロジスティック回帰分析(二項[0 / 1]、多項[A / B / C])
- プロビット分析
- 非線型回帰分析
『SPSS Custom Tables』は複雑なクロステーブルに必要!
論文で多次元テーブルが必要か否かが、『SPSS Custom Tables』の導入の判断基準になります。以下がBaseや他のモジュールにはない機能です。
- 多次元でのクロスや入れ子式の設定が容易に
- 多重回答(マルチアンサー、MA)グループの変数設定を自動保存
その他人気のモジュール
・少ないサンプルを増やすための『SPSS Exact Tests』
主な機能
-フィッシャーの正確確率検定(漸近法、モンテカルロ法)
-フリードマン検定、他
・欠損値のパターン認知と推定をし、補完を支援『SPSS Missing Values』
主な機能
-単一代入法(EM推定、回帰推定など)
-多重代入法(MI: Multiple Imputation)、他
・CHAID, CRT, QUESTなどを搭載し、決定木分析が可能『SPSS Decision Trees』
主な機能
-CHAID、Exhaustive CHAID、C&RT、QUEST)、他
まとめ
臨床研究でSPSSの導入の際、モジュール選びに迷われたら、『SPSS Statistics Standard』を中心にご検討ください。その上で、その他各モジュールの機能とご自身の研究・論文を照らし合わせ、必要な構成・追加モジュールをピックアップしてみてください。
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