NVivoユーザーインタビュー グロービス経営大学院 松井 孝憲 先生

人材開発(越境学習)やチームワークの研究をされている松井孝憲先生にNVivo を購入したきっかけや、便利だと思った機能について伺いました。松井先生がNVivo を使って分析された研究成果は「経営行動科学」に掲載されています。


グロービス経営大学院 松井 孝憲 先生

松井 孝憲 先生の論文
異業種チームにおける トランザクティブ・メモリー・システムの発達メカニズム―Gioiaメソッドによるケース・スタディ―. 経営行動科学. 2025, 36 (1-2):1-23.
https://rs.usaco.co.jp/article_search/l/2877102.html

※記事内に使用している NVivo 画面は説明用のサンプルです。松井先生の研究で使用されたものではございません。

Q1. NVivo を使用されたきっかけは?

論文作成で必要になったためにNVivo を購入しました。経営学の分野では質的研究は比較的少数で、分析結果について「それはあなたの感想ですよね」と説得力のない分析として評価されやすい場合があります。そこで今回の論文では、自分勝手なデータ解釈をしたわけではなく、データに基づいて透明性の高い分析手続きを行っていることを明確に示せるようにしたいと考え、NVivo を購入しました。

また、質的研究におけるコーディングでは、分析作業中に作成したコードと対応するデータのつながりがわからなくなってしまうことがあります。どのデータからどのコードが作成されたのかという紐づけや、コード同士の階層性をクリアにわかりやすくしたいというのも、NVivo を利用するきっかけとなりました。

Q2. NVivo はどのように利用されましたか?

NVivo はインタビューデータの分析に利用しました。今回「経営行動科学」に掲載された研究では、グラウンデッド・ セオリー・アプローチ(以下 GTA)で分析を行ったのですが、まずはエクセル上でオープンコーディングの分析作業を行いました。

具体的には、インタビューデータの逐語録を切片化し、それぞれの切片データからプロパティとディメンションを抽出した上でラベルを付け、それをカテゴリ化しました。本来はNVivo にデータを取り込んでから、コーディングしたかったのですが、GTA におけるプロパティとディメンションをNVivo 上でどのように扱うのが適切なのかがわからなかったため、コードの作成自体はエクセル上であらかじめ行いました。その後、エクセルファイルをアンケートデータとしてNVivo に取り込み、NVivo 上でデータとコードの紐づけを行いました。

そのため、作業としては二度手間にはなってしまったのですが、最終的に作成したコードと元データ間の紐づきが一番大事で、このつながりを管理することがNVivo 上で実現できたので良かったです。

コードと元データの紐づけも管理可能!

Q3. NVivo でよく使う機能、役に立った機能は?

今回オープンコーディングの作業はエクセル上で行いましたが、作成したコードをまとめあげていく作業(軸足コーディング)はNVivo がなかったらできなかったと思います。また、作成したコードを一覧で確認できるので、コードを階層化したり、類似したコードの比較や整理する際にも役立ちました。

コードの階層化

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