文献レビューでNVivoのスキルを磨く

NVivoを使用する文献レビューについては、利用できる優れたリソースがいくつかあります。ここでは、私自身が文献レビューに使用して、役に立つと思ったいくつかの方法を説明します。文献レビューの際にNVivoで作業をおこなうことは、研究を管理する優れた方法であり、NVivoを習得する実用的な道でもあります。


目次

ソースとしての引用

ソースを引用資料と見なし、インタビュー原稿や他のソースに対してと同様な方法で、NVivo内で引用資料に取り組み概念化していくことは有益だと思います。

私は EndNote の引用管理ソフトウェアを使用して、ジャーナル記事のPDFコピー、図、テキストを読んだときの研究メモなど、書誌に関する情報と書類を保存しています(引用管理ソフトウェアは他にもありますし、NVivoでもそのいくつかが使用できますが、今回の投稿ではEndnoteについて述べます)。

私は音声テキスト化ソフトウェアを使って、Endnote内の「リサーチノート」フィールドにメモを書き取らせています。テキストのデジタルコピーを持っていない場合、これは特に便利です。引用管理ソフトウェアからNVivoへソースをインポートするときに、研究メモはリンクされたメモとしてインポートされます。


ENDNOTEスマートグループの使用

私は約2,500のリファレンスを集めていて、Endnoteの「スマートグループ」機能を使ってリファレンスグループを作成しています。例えば、私はPierre Bourdieuの理論に取り組んでいるので、「Bourdieu」という名称のスマートグループを作り、彼によるリファレンス、彼に関するリファレンスはすべて自動的に収集されます。他のスマートグループとしては、「habitus」のような特定のコンセプトについて触れられているリファレンスを集めるものもあります。

スマートグループ機能により、NVivo内で分析用に特定のリファレンスが簡単に見つかり、エクスポートが可能です。これにより、数多くのソースをインポートする時間も節約されます。


NVivo内でリファレンスのインポートと管理

書誌ソースをインポートする際には、引用管理データベースフィールド(例としては、「筆者」「日付」「タイトル」など)から引き出された一連の初期属性により、書誌ソースは「リファレンス」として分類されます。筆者名やタイトルで、インデックスをつけることが選択可能です。ひとりの筆者の著作に注目する場合は、タイトル別にインデックスをつけるのがおそらく便利ですし、筆者別のインデックスも効果的だと思われます。

後でフレームワークマトリックスを作成する際に役立つので、各ソースを私は「ケース」としてコーディングしています。


明示的アプローチと創発的アプローチ

文献レビュー中にソースをコーディングするときには、「明示的」もしくは「創発的」なアプローチが役立ちます。

数多くの有益なコーディング戦略がありますが、私は明示的なアプローチから始めることが多く、テキストサーチクエリを使ってソース内に特定のテーマやコンセプトを置きます。

例えば、Bourdieuの「habitus」についてさまざまな筆者がどのように取り組んでいるかを知りたい場合、私はテキストサーチ機能を使ってソース内で「habitus」を調べました。サーチオプションを設定して「habitus」の検索結果を、新たに作成したノードにコーディングするのです。

コーディングレポートでその結果を確認し、テキストから浮かび上がる新しいテーマや子ノードを作りながらコーディングを続けます。そして、リンクメモとして保存している研究メモに追記していきます。


フレームワークマトリックスと抜粋部分を比較する

「habitus」の事例を続けますが、異なるソースがどのように「habitus」を概念化(もしくは批評)しているかについて関心を持ったとします。私がソースを「ケース」として設定したいたことを思い出してください。

フレ―ムマトリックスツールを利用して、ケースを行に、テーマノードを列に指定して交差を見ることができます。

「自動サマリー作成」機能により、ケースとテーマが交差している部分のコーディングされたテキストが、セルに入力されます。これは、筆者が「habitus」に関して書いたことと関連テーマを比較する際に役立ちました。属性により行の並べ替えができるので、さまざまなパターンを見分けることが可能でした。例えば、日付により行の並べ替えをすることで、時間が経つにつれてhabitusの概念が変化しているのかに関する調査に役立ちます。


行列コーディングクエリで「ホットスポット」を探す

文献レビューの中で、ケースとノード、もしくはノード同士などの項目が交差する部分に該当するリファレンス件数は、行列コーディングクエリを使うと素早くカウントできます。

例えば、Bourdieuの著作に関して「bricolage」というコンセプトに注目している筆者は誰なのかということに関心を持ちました。テキスト検索を実行し、その結果を「bricolage」ノードへコーディングし、さらに行列コーディングクエリを使って、ソースと「bricolage」ノードをクロスリファレンスしました。結果には、表形式(スプレッドシートとしてエクスポート可能)や図表によるカウント数が含まれます。

私はNVivoのシェーディングを使用して、「bricolage」のリファレンスが集まっている部分をビジュアル化し、さらに詳細な分析用のソースとして活用しました。


メモと論文の書き上げ

文献レビュー中にNVivo内で作成されたほとんどのアイテムがエクスポートできます。

メモとコーディングレポートをテキストドキュメントとして、フレームワークマトリックスと行列コーディングクエリの結果を表として、さらに図表(そして、モデルやクラスター分析など他のビジュアル)をイメージファイルとしてエクスポートします。

論文を書き上げるために、Scrivener writing and drafting software to write up my researchを使用しています。Scrivenerには「リサ―チ」ホルダーに「バインダー」が含まれ、研究を書き上げるために使うファイルが保存されています。リサーチホルダー内にはサブホルダーが作成可能で、ここには私がNVivoからエクスポートしたものが保存されています。

論文のセクションを書き終えたとき、自分のメモからの資料を作業をしているセクションへドラッグ、コピー、貼り付けが可能です。イメージファイルは、図表としてScrivenerのドキュメントへ直接、ドラッグが可能です。


結論

NVivoにより詳細で系統的なアプローチの元、文献レビューが始められます。知的で分析的なスキルを用いる代わりにはなりませんが、より詳細で系統的、説明可能な方法でたくさんの文献を理解するプロセスが促進されます。また、文献レビューにNVivoを使用することで、ソフトウェアの機能が定期的に練習でき、より親しみを感じながら専門知識が磨かれます。

元記事 | Hone your NVivo skills with literature reviews | The NVivo blog

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