NVivoには質的データの分析を支援する様々な機能が搭載されています。文字起こしからコーディング、分析までNVivo内でスムーズに行えます。
- コーディング(切片化)
- コーディングの自動化
- 特定の語句を検索、コーディングも可能なテキスト検索クエリ
- 様々な切り口からデータを俯瞰する行列コーディングとクロス集計
- クロス集計クエリ
- テーマ・概念をまとめるフレームワーク行列 *Windowsのみの機能
- コーディングの重なりや交差を発見するコーディングクエリ
- 頻出語を可視化する頻出語クエリ
- 浮かんだアイデアを残すメモ機能
- NVivoを使用していない共同研究者とのやり取りにも便利な出力機能
- 分類
- ソーシャルメディアのデータ取り込みと分析
- 音声・動画のコーディングと文字起こし
- 自動文字起こしサービスNVivo Transcriptionとの連携
コーディング(切片化)
様々な形式の取り込んだ質的データに、コーディング(切片化)が可能です。紙を切って文書セグメント化したり、付箋を貼るような感覚そのままに、PC上で作業ができます。コーディングの階層化も可能なので、コーディングの整理も簡単にできます。
また、コーディングした箇所の元データに戻るのも、クリックするだけです。
コーディングの自動化
自動コーディング機能で、インタビューを発言者ごとにコーディングしたり、感情やテーマを特定してコーディングすることが可能です。自動コーディング機能を使用することで、大幅に時間を節約することが可能です。
発言者による自動コーディング:
発言者名に基づいてテキストを自動的に発言者ごとにコーディング(抽出)します。
フォーカスグループのトランスクリプトをコーディングするのに便利です。
「自動コーディング 発言者ごとのコーディング」
構造による自動コーディング:
データセットまたはインタビューのように段落が構造化された文書データを自動的にコーディングします。段落様式や一貫したスタイルに基づいて自動的にテキストをコーディングします。
テーマによる自動コーディング:*Windowsのみの機能
自動的にファイルを分析し、頻繁に言及されているアイデアまたは概念を特定します。 テーマや概念を自動で特定するので、インタビューデータ等の分析だけでなく、「文献レビューの最適化」にも適しています。
「NVivoとEndNoteを使った文献レビューの最適化」
感情による自動コーディング:*Windowsのみの機能
自動的にファイル内の感情トーンを分析し、「とても肯定的」から「とても否定的」まで、4段階で感情をコーディングします。結果はグラフ、ヒートマップ、レーダーの形で可視化することも可能です。
パターンベースの自動コーディング:*Windowsのみの機能
既存のコーディングに基づいて、自動的にテキストをコーディングします。たとえば、選択したコードで以前にコーディングされたテキストと類似する表現があるファイルのテキストをコーディングします。
特定の語句を検索、コーディングも可能なテキスト検索クエリ
特定の単語を含む箇所を検索し、データから一瞬で必要な文章を取り出すことができます。検索する単語の活用形や類義語を含めて検索することも可能です。
また、検索した結果はコーディングし、コードにすることが可能です。
様々な切り口からデータを俯瞰する行列コーディングとクロス集計
行列コーディング
インポートされたデータ、コーディングされたデータを元に、条件を設定してデータを集計することが可能です。 たとえば、コーディングされたPDFファイルにどのコードがいくつ含まれているかなど集計することも可能です。集計結果はグラフの形式で可視化することも可能です。
クロス集計クエリ
コードとアンケート回答者・場所などの「ケース情報」や年齢・職業といった「属性情報」を素早くクロス集計可能です。クロス集計クエリはコードと、ケースまたは属性を行列の形で集計します。たとえば、あるコードに対して、どの年齢層や職業がよく言及しているかなどを集計することが可能です。
テーマ・概念をまとめるフレームワーク行列 *Windowsのみの機能
事前にコーディングしたあるテーマ、コンセプトを表にして簡単にまとめることが可能です。
行にケース、列にコードを指定が可能です。例えば「ID-001」と「ID-002」が「不安」と「痛み」について語った内容を表にして一覧することが可能です。
フレームワーク行列は論文レビューにも使用できます。例えば、EndNoteなどから文献情報を取り込んで、テーマやコンセプトごとにコーディングを行えば、記憶に頼ることなく論文ごとに着目した点をまとめ上げることもできるので、先行研究・論文レビューが効率化します。
NVivoを使用した文献レビュー「NVivoとEndNoteを使った文献レビューの最適化」はこちら。
コーディングの重なりや交差を発見するコーディングクエリ
コーディングを検索し、コーディングの重なりや交差を発見することが可能です。
AND、ORの条件によるコーディングのクエリに対応しており、細かく条件を指定して検索が可能です。例えば、コードAとBの両方にコーディングされているが、コードCにはコーディングされていないコーディングをすぐ見つけることが可能です。また、検索結果はコーディングすることが可能です。
頻出語を可視化する頻出語クエリ
「どんな言葉が使われているか」「何が論じられているか」を定量的に確認することができます。別の角度や視点からデータを眺め、集めてきたデータで見落としていた点や、自身の見解と一致しているか等を確認できます。頻出語は単語クラウド、ツリーマップ、クラスター分析で可視化することも可能です。
浮かんだアイデアを残すメモ機能
浮かんだアイデアなどをメモ、注釈(Annotations)、リンクなどの機能でNVivo内に残すことが可能です。
メモは文章だけではなく、画像やスプレッドシート形式データなど、様々な箇所にメモを残しておくことが可能で、メモ内容と元データの行き来もクリック一つです。
NVivoを使用していない共同研究者とのやり取りにも便利な出力機能
NVivoはNVivoを使用していない共同研究者とのやり取りにも便利な出力機能があります。
その他にも、チャートや表などの分析内容や、視覚化した内容も出力・保存することが可能です。例えばクロス集計などで作成した表は.エクセルやSPSSの形式で出力することができます。また、グラフなどの視覚化したチャートは画像やPDF形式で出力が可能です。資料への引用や統計ソフトでの処理もスムーズです。
分類
収集したデータに対して属性値を持たせることができます。例えば、インタビュー対象者の性別・年齢・居住地などを設定することによって、分析をする時に男女別、世代別、居住地毎の傾向を可視化することができるようになります。
ソーシャルメディアのデータ取り込みと分析
ウェブブラウザ拡張機能のNCaptureをインストールすることで、ウェブページ、ソーシャルメディアデータ、YouTubeビデオなどを収集し、そのコンテンツを NVivoにインポートすることができます。インポートしたデータはコーディングや可視化機能を使って分析することが可能です。
オンラインデータのキャプチャーと分析
- NCapture
- ウェブページのインポート
- Facebookのウォールへのポストやコメントのインポート
- Twitter ツイートのインポート
- YouTubeコンテンツのインポート
- ソーシャルメディアデータの自動コーディング
- ソーシャルメディアデータの視覚化
- オンライン PDF のインポート
音声・動画のコーディングと文字起こし
NVivoは音声・動画ファイルを文字起こしせずに、メディア(タイムライン上)に直接コードすることも可能です。
また、メディアの文字起こしにも使用できます。「トランスクライブモード」では、メディアの再生と一時停止や低速再生が可能で、聞き取りながらトランスクライブすることで、新しい行とタイムスタンプが NVivo によって自動的に追加されます。フットペダルおよびキーボードショートカットも使用できます。
外部サービスで文字起こしを作成した場合、タイムスタンプ等の書式を揃えておくことで動画にインポートすることも可能です。
自動文字起こしサービスNVivo Transcriptionとの連携
NVivo Transcriptionは機械文字起こしを使用した自動文字起こしサービスです。
文字起こしに関わる作業を全てNVivo内で完結でき、シームレスに作業することが可能です。
また、NVivo Transcriptionはモバイル端末からもデータをアップロードできるので、インタビューを録音したその場で文字起こしをすることも可能です。